あなたの提案は本当にMECEな状態ですか?
普段フレームワークなどを用いて、抜け漏れが無いように組み立てている方も多いかと思います。
- 5F
- 3C
- SWOT
- バリューチェーン
- etc…
それ、本当に抜け漏れが無いですか?
そして、フレームワークをちゃんとうまく活用できていますか?
もっとシンプルに、でもより緻密に正確に考えられる方法について書かれているのがこの本です。

- 作者:渡邉 光太郎
- 発売日: 2017/07/20
- メディア: 単行本
この本を読むことでMECEな状態の論理をシンプルに組み立てる方法を身に付けましょう!
この本から学べること
- 5W1Hを用いて、Big-Why(真の目的)を見つける(課題提起)
- Why-Howを用いた説得力の向上(コミュニケーション)
- 3W1Hを用いた問題解決案の絞り込み(課題解決)
Big-Whyを見つける
普段私たちはwhat・how(何をやるのか・どうやるのか)からwhy(なぜやるのか)を考えています。
ですがここから、もう一段上のBig-Why(どうありたいのか)を考えることが重要です。
普段の業務などでも
- 〇〇について考えてくれ(How)
- 〇〇という資料を作ってくれ(what)
のような「行為」を命じられたら、盲目的に作成するのではなくて
「何のために考えるのか」や「その資料で何を達成したいのか」(why)を考え、そのゴールの「状態(あり方)」を見つけてみてください
また、Big-Whyを見つける際に、以下の3つのチェックポイントを意識してみましょう
- ありかた: 何かを実現している状態
- ありがたみ: 顧客や関係者がワクワクするような価値にフォーカスできているか
- あたらしみ: これまでにない価値定義になっているか
例として、「濃いお茶ブーム」について触れます。
この濃いお茶がなぜブームになったのかを遡ると、コーヒーを飲めないビジネスマンが弁当と一緒に買うようになった(why)からでした。
こうした顧客の真のニーズ(Big-why)は「会議に眠くならないように」だったようです。
ここまで遡れれば、ブームに乗っかり濃い味のお茶を出すのではなく、他のアプローチができますね。
説得力の向上
「why-what-howの3点セット」は、コミュニケーションを前提とした思考の枠組みで特に有効です。
何かを説明するときは、why⇒what⇒howの順に伝えていきます。
この論理を組み立てて行く時に基本となるのが、why-howピラミッドです。
「〇〇をすべきだ」を頂点として、「なぜ〇〇なのか (why)」と「どのように〇〇するのか (how)」を考えるのです。
そして、whyに関して以下のように他のWと組み合わせて考えていきます。
- why-what: なぜ「これ」なのか
- why-who: なぜ「その人」なのか
- why-when: なぜ「その時」なのか
- why-where: なぜ「そこ」なのか
「〇〇すべきだ」を頂点とし、その下にぶら下がるwhy-howというピラミッド構造から、相手のボトルネック(言い訳)を洗い出し、それに対する対応策を考えれば、筋の通った説得になるでしょう。
3W1Hで筋の良い打ち手に絞る
普段あらゆる問題や課題にぶつかると思います。
その問題を解決するのに用いるのがwhat⇒where⇒why⇒howです。
具体的には
- what: 何を解決するのか
- where: どこが問題なのか
- why: なぜその問題が起こるのか
- how: どう対処するか
という内容です。
かならず上から下へ考えて行ってください。いきなりwhyやhowから考え出してはダメです。
What
whatを考えて行くにあたり、目標と現状のギャップを5W2Hに当てはめて、洗い出していきます。
- when: いつまでに
- where: どこで(エリアなど)
- who: 誰が
- what: 何を
- why: 何のために
- how: どの程度
- how: どうなっていたいか
ここで、「長期」、「中期」、「短期」などに分けて考えると捗るかもしれません。
例えば、「短期」を考えた際に
目標が、1年後までに(when)、お客様が(who)、弊社商品Aを(what)、健康増進のために(why)、37.0億円(how much)、お買い求めになっている(how)であるとし、
現状からの見通しが、1年後までに(when)、お客様が(who)、弊社商品Aを(what)、健康増進のために(why)、31.9億円(how much)、お買い求めになっている(how)であれば、
問題は、「売り上げが目標に対して5.1億円不足してしまいそう」ということになります。
Where
ここで、どこが悪いのかを考えていきます。ここでは、4W(1H)を使っていきます。
- When: 時間の視点(季節別、月別、ボーナス期/通常期、etc…)
- where: 場所の視点(販売/発送エリア、販売チャネル「ECサイト、テレビ通販」)
- who: 顧客や人の視点(新規顧客/既存顧客、性別、年齢別、職業別)
- what: 物の視点(商品、ブランド、価格帯、用途)
- how ~: 数式の視点(How much: 営業人数×1日あたりの注文額、顧客数×1顧客あたりの注文数)
先ほどの例を使います。
例えば、「who」から新規顧客と既存顧客に分け、それぞれで購買人数と1人あたりの購買額(how)を分けて、明らかに減少している場所を探す。
のように5w1hを組み合わせながら掘り下げます。
Why
ここでやっとwhyを問うフェーズに入ります。
ここで、大切なのは最初に「相手がどう感じるか」という視点から考えることであり、「自分たちがどうやっているのか」という視点はその次です。
例えば、商品のリピート率が低いことが問題であれば、「相手がどう感じているか(飲み続けられない、効果を実感できないなど)」に対するwhyを考えていきます。
次にこのwhyの答えがなぜ(why)解消できないのかを自社の視点で考えていきます。
上の例から、「飲み続けられない⇒飲みことを習慣化できない」というところに対して「継続して飲んでもらえるサポートが無い」というwhyが出てきます。
How
最後に、解決策を考えていきます。
相手に合った実際の行動プランを考えていきましょう。
ここでも、5W1Hが有効です。
- When: 時間の視点(タイミング、順番)
- where: 場所の視点(場、場所、チャネル)
- who: 顧客や人の視点(人、部門)
- what: 物の視点(コンテンツ、ツール、仕組み)
- How ~: 数字の視点(程度、頻度、回数)
- How: どうやって(媒体、伝達手段)
例えば、解決する点が「効果を段階的に感じてもらえない」だとしましょう。
ここで、顧客ごとの変化がモニタリングできるシステム(what)を定期的に(when)アプリで(how)提供する。
のような、各項目で出た案を組み合わせた解決策を作ります。
最後に
本の中では、各手法に対して練習例などが載っていたり、もっと細かい解説がされています。
もしもっと詳しく知りたいと思ったら、ぜひ本を手に取っていただけたらと思います。
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