生産性を高める思考法を身に付けませんか?
今回紹介させていただくのは、
ボストンコンサルティング出身の内田和成さんによる、コンサルで実際に使われている思考法について書かれています。
「多くの企業の方がしてしまっている、網羅的な探索はもうやめましょう。時間がもったいない!」
ということが書かれています。
本書の中でも、この点だけは抑えておこうといったポイントを絞って内容をお伝えできればと思います。
なぜ仮説思考が必要なのか
それは、無駄なものに使う時間を極力減らすためです.
ある問題に対して、考えられる原因、そしてその原因に応じた解決策を網羅的に長施しようとするのは、時間が足りません。
本の中でも「情報は集めるよりも捨てるのが大事」と言われています。
情報が意思決定を妨げる場合がよくあります。
意思決定をする場合には、今ある選択肢を狭めてくれるような情報を集める必要があります。
そして、大きなストーリーを描けるようになります。
すなわち、手元にあるわずかな情報から、最初にストーリーの全体像を描くことができるようになります。
具体的には、
「現状分析の結果こういう分析結果が得られる。その中で真の原因はこれで、いくつか立てられた戦略の中で、最も効果的なものはこれだ」
というのを十分な分析や証拠のない段階で作っていきます。
「重大なことを見逃し、間違ったストーリを作ることもあり得る」
という心配をする方もいますが、
ストーリーの正しさを証明するための証拠集めの段階で、仮説を肯定するような証拠がなかなか集まらないので、ストーリーが間違いであるとすぐ気づけます。
また、間違えたストーリーの検証をしている時間が無駄じゃないかと思う方もいるかもしれないですが、
全体の課題の中で、数個を検証して正解にたどりついたとしたら、その全体の課題を網羅的に見るよりはるかに早いです。
仮説を立てるための頭の使い方
本書では、仮説を立てるための頭の使い方として以下の3つが挙げられています。
- 反対側から見る
- 両極端に振って考える
- ゼロベースで考える
反対側から見る
以下の視点を持って考えることが考えることが重要だと書かれています。
1. 顧客・消費者の視点を持つこと
自分がもの売ることを考える前に、ユーザはどんな人であり、どこでなぜ自社の商品を購入しているのか、使っているのかを考えてみることが大事です。
2. 現場の視点で考える
実際に現場に行って、具体的な事実を経験し観察してみます。
3. 競争相手の視点で考える
もし自分が競争相手の社員だったら、我が社をどのように見ているのだろうと考えてみることをします。
両極端に振って考える
物事を両極端に振って考えることで、物事の本質が見えてくることがあるとあります。
例えば、500枚300円のコピー用紙を400円に値上げしたら売れなくなるが、
高級ブランドのLouis Vuittonは、値下げをしたとすると、「流行遅れになったのか」という印象を与え、売り上げが減少する可能性があります。
1方向だけでなく、逆方向にあえて思考を振ることで、自社が扱っている商品やサービスがなぜ顧客に指示されているかが浮かび上がります。
ゼロベースで考える
既存の枠組みに囚われず、目的に対して白紙の状態から考える姿勢のことです。
「コストを2割カットせよ」と命名された場合、いろいろな方法が思いつくと思います。
これが「コストを7割カットせよ」だったとします。
マニュアル化による効率化などでは対処できません。
クレームの発生原因を分析し、品質権利を改善することや、説明書の作り直しなど、違う角度からの対応が必要になります。
自分たちの置かれている状況などを一旦白紙にすることで、他部署に目を向けるなどの創造的な仮説が生まれるようになります。
良い仮説の条件
良い仮説であることの条件として、以下2つの条件が与えられています。
- 掘り下げられている
- アクションに結びつく
掘り下げられている
例として、「営業成績が上がらない原因」というケースを考える。
- 営業マンの効率が悪い
- できない営業マンが多い
- 若手営業マンが十分教育を受けていない
これは良い仮説とは言えないです。では、良い仮説とはどういうものかというと以下のようになります。
- 営業マンがデスクワークに悩殺されて、取引先に出向けない
- 情報交換不足で、ノウハウがシェアされてない
- 上の人が実際に足を動かす人なので、若手の指導や同行セールスができない
なぜそうなのかという一段掘り下げられている状態となっています。
仮説を立てるときには、So What?(だから、何?)を考える必要があることが分かります。
アクションに結びつく
先ほどの良い仮説では、仮説が正しいと証明された際に、すぐに実行できる解決策につながります。
最後に
本書では、仮説思考をする訓練についても書かれています。
また読んでいて、この練習には0秒思考という著書で書かれたメモ書きなどがとても良いシナジーを生む気がしました。
ぜひ、手にとって読んでいただければと思います。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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